英会話の学習で最近注目されているのが「音読」である。音読というと、中学・高校のとき、教室で先生の指示にしたがって練習したのを思い出す人も多いだろうが、教室外で1人で行ったという人は少ないはずだ。日本人が英語を「聞けない・話せない」根底には声に出して発話する絶対量が不足していることがある、というのが音読学習の根拠である。音読を繰り返すことによって、「理解している英語=知的記憶」を「使える英語=運動記憶」に転換しようというわけだ。 しかし、ただやみくもに独習するのも心許ない。そんな学習者のために、音読トレーニングプログラムを提供しているのが本書である。「挑戦編」と銘打たれているように、入門編、標準編とある姉妹書の最上位レベルのものだ。TOEICのスコアで600点以上という設定であるが、実際に音読学習に使用されるテキストは高校1年生用のさまざまな教科書から取られた文章で、中級の英語力があれば問題なく取り組めるだろう。 トレーニングは、「CDを聞き内容を推測する」「CDを聞きながら音読する」「自力で音読する」「音読筆写」というように具体的なメニューにしたがって進められるようになっている。ユニークなのは、音読しながら英文を書き写す「音読筆写」。これは目だけでなく、口、耳、手など身体をフルに活用したトレーニングで、本書によれば、6か月続けるとTOEICのスコアが100〜200点アップする程度の効果があるそうだ。巻末には自分の学習結果を記入できる「トレーニング記録帳」も用意されている。(成重 寿)
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